一寺院を越え京都の有り様を映す寺
遠く東山の峰々、それに連なる気高き比叡の山と庭とが一枚の絵のように一緒におさまる借景は、自然を畏怖し、敬う気持ちの表れ。と、同じように、黒光りする床に庭の緑を映し込む「床みどり」、これもまた、自然を家の中にまで取り込んで、実に見事だ。誰もがみな床に這いつくばるようにして感嘆の声を上げる。秋にはこれが真っ赤な紅葉を映す「床もみじ」になる。これまた涙が出るほど美しい。光の加減でお昼前後が一番の見頃だそ
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「心」の京都通こそ真の京都通
お店最後の日、わざわざ京都を訪れ、「望月本舗」に足を運んだが、既に売り切れていて、入手出来なかったと、いかにも寂しげな報告をいただいた。寺社の歴史にさほど明るくなくても、京都の店の裏事情に通じていなくても、京都人と同じ寂しさを共有する、これぞ真の「京都通」だと僕は思う。「京都検定」に見られるような単なる「過去の知識」でもなく、ましてや京都オタクがひけらかすような京都裏事情でもない。京都の本物を識り
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自転車で外メシ
数年前まで、日帰りサイクリングの昼食は、コンビニのおにぎりや手近な食堂で済ますというのが私のやり方であったのだけれど、最近は、食堂などありそうもないのどかなところに出かけるときは、ストーブ(携帯用コンロ)とコッヘル(携帯用調理器具兼食器)を持って出かけることが多くなった。ゆっくり時間を使って昼食をとることが愉しくなったからだ。まあそうは言っても、さすがに本格的な調理をするわけではないので、実際はフ
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大阪南港K2埠頭より正午出港
一九八五年一〇月二二日大阪南港K2埠頭より正午出港。私は前日大阪に泊まって乗船した。なにしろ運賃が安い。六泊七日(海潜在二泊を含む)で二等和室だと八万一、〇〇〇円。私は張り込んで貴賓室を一人占めすることにした。三〇万円になる。ベッドルームと居間の二部屋、バスつきである。フェリーなので食事は別でその都度支払うことになる。出港するとすぐ昼食である。昔からのカフェテリア方式の食堂でお盆を持ち、好きな料理
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日本における都市の道路空間
日本における都市の道路空間はすでに商業空間の1部となっている。そこには経済のオーラが否応なく漂っているのだ。しかし線路沿いや川沿いの空間は、ある意味まだ毒されていない部分がある。まあしかしそういう理屈よりもやっぱり、鉄道という、この時代の中では割と牧歌的な印象のある交通機関の横をのんきに自転車で探索するのが愉しいのだと言ってしまおう。東京23区内にも、電車から眺めていて、おっ、あの道よさげだな、な
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